第3章 友情か
「…美味しい。」
「でしょ!?
見た目は悪いけど、ここのが一番美味しいの。
冬になったらモツ煮込みも食べられるんだけど、それも絶品!!」
「モツ煮込み…好きです。」
「じゃあ、また来なくちゃね。」
焼き鳥を片手にビールを飲む。
他愛ない話に笑い、またビールを飲む。
こんな事をしたのは初めてだった。
24歳にもなってもまだ“初めて”の事があるなんて、私はどれだけ人生経験が浅いのだろうと思う。
しかし、そんな私にも愛美先生は優しかった。
先ほどまでの警戒心はもう無い。
今はこうして愛美先生と笑い合いながら食事を楽しむ事に夢中だ。
「…何か、意外です。」
「え?何が?」
「私なんかとは…住む世界が違う人だと思ってました。」
「何それ!?」
「私と違って…愛美先生は“素敵な大人の女性”だから。」