第3章 友情か
「小松さん、今日はお休み。
それを伝えに来たの。」
「…え?」
「いつもここで小松さんとタバコ吸ってたでしょ?
彼女、今日は欠席だから。
橘先生が待ってたら困るだろうなと思って。」
いつから気付いていたのだろうか…。
「そうですか。」とだけ応えると、そのまま愛美先生の出方を待つ。
否定する事も出来たが、言い訳をするようで見苦しいと思った。
愛美先生の言う通り、私達がいつもここでタバコを吸っていた事は事実だ。
彼女はこの事を誰かに話したのだろうか。
そうなれば私は教師を続けられなくなるだろう。
正直、それでも良いと思った。
教師という仕事にやり甲斐など感じた事はない。
ただ、彼女はどうなるのだろうか。
小松加奈。
彼女は停学か…いや、退学になってもおかしくはない。
ここ2ヶ月は目立った欠席もなく、登校していた彼女。
進級出来る見込みがある彼女を、こんな事で退学にはさせたくなかった。