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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第26章 峠


「会ってくれてありがとう。」

「だって…美波に頼まれたら嫌だなんて言えなくて。」



こうして早織と会えるように動いてくれたのは美波だった。

早織に会いたいと言った俺に、美波はとても協力的だった。

「でも、母さんには恋人がいるの。」

そんな知りたくなかった情報までも教えてくれた。



「美波とはどうやって知り合ったの?
あの子にはあなたの話をした事は一度も無いのに。」

「サクちゃんが、美波と偶然知り合って。」

「佐久間君が?」

「そう。今、サクちゃんと一緒に暮らしてる。」

「…どうしてそんな事に?」

「まあ、“運命”ってやつでしょ。」



冗談めいた俺の言葉に、早織は顔をしかめた。

その顔があまりにも懐かしく、そして心地良い。

出会った頃はふざけ合い笑いながらも、その芯の通った性格で、いい加減な俺を導いてくれるような…そんな安らげる存在だった。






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