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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第25章 雨はやさしく


「すぐに赤ん坊ができて…ちょうど俺達のメジャーデビューも決まって。

1994年12月29日。
美波が生まれた日、俺だけデビューシングルのレコーディングが終わらなくてさ。

代わりにサクちゃんが病院に行ってくれたんだよね。」



実家のタンスから見付けたあの写真は、その時の物だったのかと理解出来た。

病室のベッドの上で微笑む母と、生まれたばかりの私を抱く佐久間さんの写真。

あの写真を見付けた時は、これほどまでに穏やかな日が来るとは夢にも思っていなかった。



あの時は全てが終わった。

そう感じていた。



「初めて美波を見た時は嬉しさよりも驚きの方が大きかったな。
自分の血を受け継ぐ命がこの世界に生まれたんだって。

可愛くて…愛おしくて仕方なかった。

あの頃から美波は本当によく泣いてたよ。

顔を真っ赤にさせてさ。
小さくて壊れてしまいそうで。

そして、甘い匂いがした。

“甘い 甘い strawberry”って。」






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