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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第25章 雨はやさしく


「“大切”なんてよく言うよ…。」

「“大切”なんだから仕方ないだろ。」

「じゃあ、どうして母さんと別れたの?

私の事が“大切”ならどうして?」



子供染みた事を言っているのは分かっている。

夫婦の問題は夫婦にしかわからない。

ここで責めたところで誰も幸せになどならない。



「私はずっと父親を知らないまま大人になった。

父親がいない生活…それが私の“普通”だった。

大好きな母がいたし、あまり仲は良く無かったけれど…祖父母もいてくれた。

でも…それだけじゃ絶対に埋められない物があるの。

私は…私は…。」



私は高杉さんに…父親に愛されたい人生だった。



肩を揺らし泣いた。

今まで向き合おうとせずにきた高杉さんへの想い。



高杉さんはソファーから立ち上がると、泣きじゃくる私の身体をきつくきつく抱き締めてくれた。



大きな背中にそっと腕を回す。

思っていたよりも大きな父の背中。



「…クソ親父。」



そう言って高杉さんの身体をきつくきつく抱き締めた。








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