第24章 言葉足らず
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私達の友情は破綻してしまった。
昼休みの保健室。
放課後の職員室。
愛美先生は私を避けるかのように、パソコンへと向かっていた。
“ごめん。聞きたくない。”
そう言われてしまったのだから当然だ。
私の勝手な“言い訳”は、もう愛美先生には届かない。
廊下ですれ違った“彼女”にさえも、冷ややかな視線を向けられた。
小松加奈。
「何やってんの?」
そう顔をしかめる彼女に、返す言葉が無かった。
こんな事になるのなら、もっと早くに打ち明けるべきだった。
私にとって愛美先生は初めて出来た“友達”だ。
いや、“親友”であったと思う。
そんな親友である愛美先生に…私は真実を話さぬまま、今日まできてしまったのだ。
激しい後悔が心に重くのしかかる。
しかし…
私は本当に愛美先生へ“全て”を打ち明けられただろうか。
佐久間さんが恋人である事だけではなく…
高杉さんが私の実の父親であると。