第24章 言葉足らず
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「また何か情報が入り次第、連絡します。」
そう言って月島さんは帰っていった。
午後からはスタジオでのリハーサルがあるそうだ。
そこで、佐久間さんはメンバーに話をすると言っていた。
八巻さんに令志さん…そして高杉さん。
アイヴィーは昨年に発表したNEWアルバムのツアー真っ只中だ。
ファイナルの横浜アリーナ2daysまで、無事走り切る事が出来るだろうか。
そんな事を思いながら通勤ラッシュのバスへと乗り込む。
いつもは目に入らない雑誌の中吊り広告を眺めた。
過激な見出しに頭が痛くなりそうだ。
報道の自由…それとも表現の自由か。
憶測の域を出ない噂話でさえも、活字になればそれなりの影響力はある。
車窓から入り込む朝日が眩しく、思わず目を閉じた。
まぶたの裏に浮かぶのは佐久間さんの険しい横顔だ。
それでも、玄関で「行ってらっしゃい。」と言って抱きしめてくれた時の笑顔はいつもの佐久間さんだった。
そんな愛おしい佐久間さんとの“真実”が…今の私を動かしている。