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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


ただ…

佐久間さんの心に寄り添っていたかった。



正直…佐久間さんの過去に嫉妬しないと言えば嘘になる。

私は佐久間さんの過去も現在も未来でさえも欲しいと思う。

欲張りな私の恋。



佐久間さんの手にそっと手を重ねた。

長い指先がわずかに反応する。

交わる視線に胸の奥がきつくきつく締め付けられる。



「…後悔しないで。」



どうか、過去の恋を…神田美咲との別れを、そして私との今を後悔して欲しくない。



「辛かったら…一緒に泣いてあげるから。」



柄にも無い言葉。

伏せたまつ毛が涙で濡れた。

まるで駄々をこねる子供のようだ。



それでも、これが今の私の精一杯だ。



「ありがとう。」



佐久間さんの温かい腕に包まれる。

鼻をくすぐるスパイシーな香り。

大きな背中にそっと腕を回す。

熱くなる耳たぶに、佐久間さんの柔らかな唇が触れた。



「後悔なんてしないよ。」






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