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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


◇◆◇



「おかえりなさい。」

「ただいま。」

キッチンから漂うカレーの香りに、佐久間さんはいつもの様なクシャクシャの笑顔を見せてくれた。



エプロンのポケットには、神田美咲から受け取った鍵が入っていた。

何と言って渡せば良いのか…。



“神田美咲に会った。”

そう言ってしまえば、佐久間さんを困らせてしまうと思った。

しかし、私は佐久間さんの恋人だ。

今現在の恋人。



今回ばかりは…少し出過ぎた事を言わせてもらっても良いだろうか。



「…帰って来たら神田美咲さんがいました。」

「…会ったの?」

「はい。昨日も。」

「そう。ごめんね。」



佐久間さんはソファーへ腰掛け、深いため息をついた。



エプロンを外し、その横にそっと寄り添う。



佐久間さんを責める気持ちなどさらさら無い。

佐久間さんの気持ちが私から離れ、かつての恋人である神田美咲へと向いているなど思ってもいない。






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