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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


そこまで話し終えると、神田美咲は空いた食器を手にキッチンへと向かった。

シンクに食器を置き、水道のシングルハンドルに手を伸ばす。

食器の中へと貯まる水。



神田美咲の心の中に居座り続ける佐久間さん。

そんな佐久間さんへの断ち切れぬ想いのように、蛇口からは水が流れ続けた。



「私、カレーライスが嫌いなの。」

「…え?」

「俊二、カレーライス好きでしょ?」

「あっ…はい。」

「私はビーフシチューの方が好き。」



だから…ビーフシチューを作って待っていたのかと納得した。

相手の好みよりも自分の好み。

プライベートの神田美咲がどういう人間なのか、何となく分かってきた気がした。



「悪いんだけど、食器洗っておいてくれる?」

「もちろんです。置いておいて下さい。」

「鍋にまだあるから、俊二が帰って来たら食べさせて。」

「分かりました。」






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