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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


ふと、“彼女”の言葉を思い出した。



小松加奈。

彼女が放課後の屋上で言っていた、あの言葉。



「“ぼっち”って惨めじゃない?」



“惨めさ”を感じるのは、一度でも光を浴びた事がある人間…そう思ったのを覚えている。

光をたくさん浴びた人間ほど、闇は深い。

思い詰め…もがき苦しむ佐久間さんの姿を想像し、胸がキリキリと痛んだ。

そんな佐久間さんに別れを告げるなど…私には理解出来ない。



「“落ち目のギタリスト”なんて私には釣り合わない。
あの時はそう思った。」

「…最低。」

「そうね。最低よね。」



そう力無く笑いながらうつむく顔は美しいと思う。



それでも、私は神田美咲の言動に驚くばかりだ。

テレビの画面を通した神田美咲は…凛とした強さと優しさに溢れた素敵な大人の女性だった。

しかし…それはほんの一部分。

いや、全てが演技。



神田美咲は、私が思っていたような女性ではなかったようだ。






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