• テキストサイズ

【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


“だからよりを戻す事にしたの。”



そう言いたいのだろうか。

アイヴィーが解散したのは1999年。

私が5歳の時の話だ。

それから20年以上…2人は想い合っていたとでも言うのか。



私の知らない過去の佐久間さん。

この怒りは“嫉妬”なのか。

美しい所作で食事をする神田美咲の全てに憤りを感じた。



「だから…私は嫌わてるの。」

「…え?」

「アイヴィーの解散後、ひどく落ち込んでいた俊二に私が一方的に別れを告げたの。
話し合う事もせずここを出た。

その頃、ちょうど私は映画の主演が決まっていて。
俊二の存在は、これからの仕事へ影響すると思ったの。」



あまりにも身勝手な神田美咲の言葉に、思わずスプーンを持つ手が震えた。



アイヴィーの解散を最後まで反対し続けていたのは佐久間さんだと…以前、愛美先生に聞いた事があった。

アイヴィーの解散で受けた佐久間さんの心の傷は深いものであったはずだ。

繊細で感受性豊かな佐久間さんの事だ。

ひどく憔悴したに違いない。






/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp