• テキストサイズ

【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第22章 スクリーンの中で


「本当に死ぬかもって思った時、村瀬先生の顔が頭に浮かんだの。」

「うん。」

「こんな事言うのはおかしいのかもしれないけど…。

村瀬先生が死ぬ時も、私の事を思い出して欲しい。

心に…私を刻んでおいて欲しい。

私も村瀬先生を心に刻んでおくから。」

「うん。」



彼女の頬からそっと手を放すと、切れ長の美しい瞳が開いた。

再び涙を蓄え始めた瞳で、彼女は力なくつぶやいた。



「私なんかが…生きてて良いのかな?」

「当たり前でしょ。」



私の声は震えていた。



彼女はふふっと小さく微笑むと、「もう少しだけ生きてみようかな。」と言った。



窓から差し込む日差しは温かく、冬の北海道とは思えぬほどだ。

そんな光を浴びて、彼女はまた寝息を立て始める。

今はゆっくり休んで欲しい。



目が覚めたら、きっと彼女はまた…大人の女性へと変わるのだと思う。






/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp