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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第22章 スクリーンの中で


オホーツクの海に漂おうとしている彼女の腕を強く引き寄せた。

冷たい身体に力はなく、私の身体へともたれかかってきた。

自分よりも大きな彼女の身体を引きずりながら、急いで岸へと向かう。

意識が朦朧としているのか。

彼女は抵抗する事無く私に従ってくれた。



彼女の長いまつ毛は白くなり、唇は紫色に染まっていた。



そんな彼女がうわ言のように震える口を開ける。



「死にたいよ。」

「駄目。」

「死なせてよ。」

「絶対に駄目。」

「どうして?」

「どうしても。」

「生きていたくないの。」

「それでも、生きなきゃいけないの。」



何とか岸にたどり着いた私は、横たわる彼女の身体にコートをかけた。

震えを通り越した身体。

冷たい風がさらに体温を奪っていく。

もう身体のどこも冷えきってしまい、彼女を温める術はない。



遠のく意識の中、コートのポケットから取り出した携帯電話で、私は救急車を呼んだ。






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