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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第21章 あなたがおしえてくれたこと


「私と“あの人”…どっちが大事?」



そう聞いたのは、放課後の視聴覚室だった。



偶然、村瀬先生が視聴覚室の鍵を空けて入っていく姿が見えた。

私は後を追いかけた。



「先生?」

「どうしました?」

「あの…分からない事があって。」

「はい。」



震える声。

そんな私に気付いたのか、村瀬先生は扉の鍵をかけた。



その瞬間、私は村瀬先生に抱きついた。

少し遅れて、村瀬先生の腕が私の身体を包み込む。



学校ではあくまで一教師と一生徒。



そんな暗黙のルールを、私は破ってしまった。



「…好きなんだけど。」

「はい。」

「先生の事、好きなんだけど。」

「そうですね。」



村瀬先生は決して「自分も…」とは言ってくれなかった。



何て“ずるい”人なのだろう。



こうして身体に触れているにも関わらず、私は村瀬先生の心に触れる事が出来ない。






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