第21章 あなたがおしえてくれたこと
次の日、学校を無断欠席した。
起きられなかったのは、夜中に帰宅したせいなどではない。
ただ…起き上がる事が出来なかった。
昨日、村瀬先生の口から聞いてしまった恋人の話に…頭がおかしくなりそうだった。
映画を観る前に珍しく食事もしてくれたのだが、恋人の事が頭から消える事は無かった。
私はこうしてまた、村瀬先生の口から放たれる事実を許し、受け入れてしまうのだと思う。
村瀬先生はきっと私を愛してくれている。
そんな自分本意な解釈をして…。
橘先生には“おかしい”と言われてしまった。
昼休みの保健室。
共に時間を過ごすようになり、橘先生にはわりと本心をぶつけられるようになっていた。
例え橘先生に“おかしい”と言われようとも、私の意思は強かった。
なぜならそれは…自分が選んだ事だったからだ。