第21章 あなたがおしえてくれたこと
放課後の屋上。
橘先生と過ごす事が日課になっていた。
私のために付き合ってくれている。
変わった教師だとは思うが、嫌ではなかった。
徐々に村瀬先生とは会える日が減っていった。
それは2学期が終わり、短い冬休みが終わっても変わらない。
そうなってしまった今、放課後の屋上だけが私の居場所だった。
私は…一体どうすれば良いのだろう。
私は…村瀬先生に愛されたい。
ただそれだけを願っていた。
私は全てを橘先生に話した。
クラスで孤立した原因。
そして、村瀬先生との関係を。
「付き合っている」という言い方をしてしまったのは、私がそうなる事を強く望んでいたからだった。
もう、自分の心の中だけに留めておくのは限界だった。