第21章 あなたがおしえてくれたこと
村瀬先生の気を引きたい。
そんな思いから、私は放課後の屋上でタバコを吸った。
2学期が始まり、学校以外で村瀬先生と会う事がなくなった。
このままフェードアウトされるのでは…。
私の村瀬先生への想いは狂気めいた物へと変わっていた。
屋上でタバコを吸えば、生活指導である村瀬先生がやって来るだろう。
私ばかりが村瀬先生に心を乱されている。
村瀬先生も…もっと私の事で悩んで欲しかった。
しかし、そこに現れたのは数学教師の橘先生だった。
橘先生に没収されてしまったタバコ。
私は…どうすれば良いのだろう。
ほろ苦い後味の悪さだけが口の中に残った。