第21章 あなたがおしえてくれたこと
恋人同士であると思いたかった。
村瀬先生は恋人との旅行を終えた後も会ってくれた。
コンビニで待ち合わせをし、ドライブスルーでコーヒーを買い、ドライブをしてからホテルへ向かう。
村瀬先生への恋心と…大きな虚無感。
それでもセックスをしている間は強く満たされていた。
行為が終わり、いつものようにタバコを吸う村瀬先生に寄り添う。
私は…村瀬先生にとってどんな存在なのだろうか。
「彼女って?」
「何がですか?」
「いつから付き合ってるの?」
「大学時代からです。」
心がえぐられていくようだった。
それでも…私は村瀬先生といたかった。
「抱き締めて。」
「良いですよ。」
タバコを消し、強く強く抱き締められる。
例え恋人がいようとも、私への村瀬先生に対する想いは増すばかりだった。