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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第21章 あなたがおしえてくれたこと


YURIの歌声を聴きながらコーヒーを飲む。

正直…村瀬先生の事は良く知らないが、こんな素敵な音楽を好む人なのだから、きっと心の温かい人なのだと思った。



「あの…。」

「はい。」

「…家に帰りたくなかったのは今日だけではないんです。」

「いつもですか?」

「はい。
うちはもう修復不可能なんです。
だから、普通の家庭なんて諦めてます。

出来るなら帰りたく無いです。」

「そうですか。」

「学校ではクラスの女子に無視されています。
それも…もうどうにかしたいという訳ではないんですけど。」

「そうですか。」



こんな事を話すつもりではなかったが、村瀬先生には話す事が出来た。



心が通じ合えた気がしたから…

ではなく、話す事がなくなってしまえば、私はまたあの家に戻らなければならない。

家だけじゃない。

あの学校に、あの毎日に戻らなければならない。



もう少し。

もう少しだけ。



高速道路を走る車のテールランプを見つめながら、時間が止まってくれる事を祈った。






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