第21章 あなたがおしえてくれたこと
ネットで知り合った男達とは、セックスだけでつながっていた。
必要とされたい。
満たされたい。
そんな想いで関係を持ち続けた。
たった数分。
それでも良かった。
誰かとつながっているという事実が私は欲しかった。
学期末テストの結果は散々だった。
当然だと思う。
もともと勉強は嫌いだ。
そんな事よりも…今は明日会える男を探したい。
貞操観念が低いと思われようとも、私は不特定多数との関係を絶ち切る気など全く無かった。
放課後、英語の補習を受けるために視聴覚室へと行ったのは7月のとても熱い日だった。
そこには私を含めて5名の生徒がいた…ような気がする。
机に座り、英単語のプリントを解くというだけのもの。
早く帰りたかった私は、見つからぬよう携帯電話を見ながら問題を解いていた。
今日はこれから会わなければならない人がいる。
“5万円おじさん”
最初に私を“買って”くれたあの男だ。
あれからも時々会い、セックスをし、金を受け取っていた。