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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第20章 氷の世界で見た碧さ


私も、この旅では少し写真を撮ろうとカメラを持って来ていた。



辺り一面、雪の世界。

そこに佇む美少女。

彼女を被写体にしたいとは前々から思っていた。



彼女はしゃがみこみ、接岸している流氷に触れた。

持ち上げようと思ったのか、両手を使い抱え込む。

彼女の力じゃ到底無理だ。



「重いよ。」

「うん。」

「持ち上げたいの?」

「CDの写真では持ち上げてた。」

「もっと小さい物だよ。」



手袋を外し、大きな流氷を素手で触る彼女の後ろ姿を写真におさめた。



「中に入らない?」

「まだいる。」

「寒くないの?」

「寒いけど…まだここにいたい。」



彼女はその場にしゃがんだまま、水平線まで続く流氷を眺めている。

オホーツクの冷たい風に、美しい黒髪がなびく。



今は一人になりたいのかもしれない。



私は彼女を残し、土産物店でコーヒーを飲む事にした。






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