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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第20章 氷の世界で見た碧さ


「YURIのファーストアルバム。」

「…素敵。」

「うん。
一瞬で好きになった。」



CDを大切そうに見つめる彼女の横顔を見ていると、キリキリと胸が痛んだ。



今…私が彼女に出来る事は何だろう。

今、私が彼女にしてあげられる精一杯の事は何だろうか。



「見に行く?」

「は?」

「行こうよ。北海道まで。」

「無理だよ。そんなお金無いし。」

「私が出す。」

「マジで言ってる?」

「“マジ”。」



あまりにも唐突だっただろうか。



彼女は驚いた表情を浮かべ、黙りこくってしまった。

しかし、彼女が望む事をしてあげたいと思う。



やはり、私は彼女が可愛いくて仕方ない。

彼女は…そんな私の想いを受け取ってくれるだろうか。



「…いつ?」

「テストが終わったら。」

「学校休むの?」

「2、3日サボっても問題無い。」

「先生ってさ…色々と“ヤバイ奴”だね。」



再び手元のCDへと視線を落とす彼女の横顔が、笑っているように見えた。



“ヤバイ奴”



それでも良い。

私は彼女の唯一の理解者なのだから。






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