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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


アパートの階段を上っていると、ふと2階の廊下に人の気配を感じた。

それは私の部屋の前。

宅配業者だろうか。

故郷の北国にいる母は、よく連絡もなしに野菜などを送ってくれていた。

待たせてはいけないと、私は階段を早足で駆け上がる。

しかし、そこにいたのは宅配業者などではなかった。



黒いジャケットに、歩きにくそうな靴。

目深に被ったツバの広い帽子からは、肩まである柔らかそうな黒髪がのぞいていた。

その姿に、思わず顔がほころぶ。

“帽子、絶対返しに来るよ。”

そう言ってはいたが、こんなにも早く来るとは夢にも思っていなかった。



「おかえり。」

「…ただいま。」

まるで主人の帰りを待っていた犬のように、男は顔をクシャクシャにして笑った。






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