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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


◇◆◇



車窓からの景色がいつもとは違って見えた。

バスに揺られ、家路を行く。

退屈で平凡な当たり前の日常が変わりつつあった。



それは間違いなくあの男と過ごした事によるものだ。

惰性で生きていただけの日々に現れた“非日常”。

ただそれだけの事に心をときめかせられるとは、案外私は単純なのかもしれない。



人は誰しも他人に“認めらたい”という気持ちを持っているものだ。

それはきっと、他人と上手く関わる事の出来ない私にも当てはまる。

亮太と別れてから始まった自己否定の毎日。

そんな毎日で少しずつ失っていった心を、男は思い出させてくれた。



恋ではない。

恋などではない。

もともと男性は苦手だ。

それでも、あの男と過ごした時間はとても穏やかな気持ちでいられた。



名前も知らない。

また会えるのかどうかも分からない。

そんな男はあの日、私という人間を“肯定”してくれたのだ。






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