• テキストサイズ

【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


彼女は吸い終えたタバコを空き缶の中へ捨てる。

ゆっくりと立ち上がり、スカートについた埃を払った。

今日も特に立ち入った話はしていない。

ただ二人でタバコを吸っていただけだ。



それでもこうして彼女が学校に来てくれた事が単純に嬉しかった。

辞めたければ辞めればいいと思っていた時もあったが、こうして少しでも関わりを持ち始めると、やはりきちんと卒業してほしいと思うものだ。



私に出来る事は何なのか。

彼女のクラスを受け持っていない私が出来る事。

彼女が私に望んでいる事…。



空き缶を受け取ると「先生も買ってきてよね、タバコ。」と呆れた口調で彼女は言った。

「もらってばかりだしね。」

「マルボロなら何でもいいよ。」

「分かったよ。明日は?明日も来るんでしょ?」

「気分が良ければ。」



屋上を後にする彼女の背中を見送る。

ふぅとタバコの煙を吐き出しながら空を見上げた。



亮太を思い出すから嫌いだったタバコ。

そんなタバコの煙が空にのぼり、風に流され消えていく。

それはそれで不思議と気分が良かった。






/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp