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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い


「彼とすれ違いが続いていモヤモヤしてるんでしょ?」



愛美先生の言葉に、思わずお弁当を広げる手が止まる。

何て鋭いのだろう。

恋愛経験豊富な愛美先生には分かってしまうのか。



“すれ違い”

今の私の心理状態にはぴったりな言葉だ。



ここ最近、どこか物足りなさを感じながら生活していた。

眠るベッドは同じなのに、肌を触れ合わせる事が出来ぬ日々。

それどころかまともな会話すら無い。



私達は“すれ違い”の最中。



この胸の“つかえ”は“すれ違い”という現象からなのだと妙に納得してしまった。



「もっと言うと…そんな彼との“すれ違い”状態の中、橘先生には気になる人がいる。」

「え?」

「田辺先生の事。」

「どうして田辺先生が…。」

「2人とも良い雰囲気だなって。」

「それは絶対に無いです。」



「そうかな?」と微笑む愛美先生に、私は慌てて否定をした。






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