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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い


「私には全て“事実”だから。」



彼女はそう言うと、屋上を後にした。

返す言葉が無い私は、ただ呆然と立ち尽くす。

彼女の中には未だに村瀬先生が存在していた。

簡単に忘れられるものではないが、正直…村瀬先生への好意はすでに無いものと考えていた。



それほど…彼女にとって村瀬先生の存在は大きかった。



私は一体今まで彼女の何を見てきたのだろう。

見守ると言いつつ、私の勝手な“想像”を押し付けていた。

彼女を理解しているつもりになっていた。



しかし…



彼女の想いは、私などには到底理解出来ない域へと達していた。



彼女が退学を選らばず、今もこうして登校している本当の理由。



“卒業するまで待ってる”

“卒業したら結婚しよう”



その言葉を今も強く信じているからだった。






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