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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い


「朝…毎日同じ時刻に目が覚めるの。」

「…え?」

「目が覚めた瞬間、心に浮かぶのは村瀬先生。」

「それはただ…村瀬先生の事がトラウマになってるからじゃ…。」

「ううん。
毎朝、村瀬先生の事を想って目が覚めて、村瀬先生の事を考えながら化粧するの。

村瀬先生の事を想いながらバスに揺られて、村瀬先生を探しながら学校で1日を過ごす。

村瀬先生の事を考えながら食事をして、村瀬先生の事を想いながらベッドで眠る。

どうか夢に村瀬先生が出て来ますようにって祈りながら。

村瀬先生に恋をした日から…私はそうやって毎日を生きてきたの。」



彼女の声は震えていた。



「私…未だに信じてるんだよね。
“卒業するまで待ってる”って言ってくれた村瀬先生を。」

「“待ってる”って?」

「“卒業したら結婚しよう”って。
“婚約者とは別れる”って。」

「そんなの嘘に決まってるじゃない…。」

「嘘でも良いの。嘘でも…。」






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