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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い


もう過去の事だから、もう心で決着がついている事だから…名前を口にする事に何も感じないのか。

いや、きっと…彼女はこういったタイプの女性ではないだろう。



「先生、戸惑ってるでしょ?」

「え?」

「困った顔してる。」



また顔色を読まれてしまったが、その通りだ。



彼女にとって村瀬先生は憎むべき相手だ。

彼女の心を…身体をもてあそんだ最低な男だ。

そんな男が好きだった音楽など…私は聴こうとは思わない。

ましてや名前を口にするなど…。



彼女にはどんな意図があったのだろうか。



「小松さんは村瀬先生の事…。」

「まだ好きだよ。」

「どうして?
あんなに苦しめられたんだよ?」

「うん。」



村瀬先生が憎い私にとっては、彼女の言葉が全く理解出来なかった。

あの男を好きでい続ける理由など私には見付けられない。

出過ぎた事とは思うが、彼女には村瀬先生の事を早く忘れてもらいたいと思う。



村瀬先生と出会う前の…純真無垢な彼女に戻ってほしいのだ。






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