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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い


ふと、背後に人の気配を感じた。

放課後の屋上。

ここへ来るのは彼女しかいない。



振り返ると、そこにはしかめ面の彼女が立っていた。

こうしてきちんと彼女と顔を合わせるのは久しぶりだ。

昼休みの保健室へ来る事もなく、最近は放課後の屋上に姿を見る事もなくなっていた。



以前言っていた「…私に構わないで。」の言葉。

今は距離を置いて見守るべきと思い、あえて彼女には関わらない様にしていた。



しかし、彼女を忘れた事など一度も無い。



久しぶりに見た彼女の顔は、ほっそりと痩せてしまった様に見えた。

それでも相変わらずの美少女だ。

彼女は何を言うわけでもなく、少しの距離を置いて私の隣へやって来た。



柵にもたれ、どこか遠くを見つめている。

まるでドラマのワンシーン。

切れ長の美しい瞳に夕日が映る。



言葉を交わす事のない私達。



その理由は、彼女の耳にもイヤホンが付いていたからだった。






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