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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第17章 秋桜が咲くのは湿った土の匂い






キッチンに立ち、コップの水を飲み干す。

久しぶりに飲んだ酒のせいか喉が渇いていた。

先ほどまでのにぎやかな空間が嘘の様な静けさ。

今日も佐久間さんは仕事で遅くなるそうだ。



ロサンゼルスでレコーディングをしたNEWアルバムの制作も大詰めとなっていた。

今は新曲が聴ける事が楽しみで仕方ない。

一人のファンとして、NEWアルバムの完成を待ちわびている。



ふと、鞄の中で携帯電話が鳴った。

短い着信音。

メッセージが届いたようだ。



急いで鞄から携帯電話を取り出す。

もしかすると佐久間さんからの急ぎの連絡かもしれない。



しかし、画面に表示されていたのは田辺先生の名前だった。



『今日はありがとうございました。

今度は二人で食事に行きたいです。』



職場の同僚は友達ではない。

付かず離れず、必要最低限の付き合い。



しかし、愛美先生と友達になれた様に…田辺先生と友達になれる可能性はあるのだろうか。

私にとって初めての“男友達”。



『こちらこそ、ありがとうございました。

是非、食事に行きましょう。』



何度も何度も打っては消すを繰り返し、私は田辺先生へそう返信した。






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