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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第16章 ウラオモテ●


「橘先生、お忙しいのに学校の中を案内して下さってありがとうございます。」

「いえ、これも仕事ですから。」

「あっ、そうですか。仕事…ですか。」



職員室までの廊下を歩く。

気の利いた言葉を選べず申し訳ないとは思うが、私も初対面の男性と二人きりになり緊張している。

田辺先生はどこか…今まで出会ってきた教師とは雰囲気が違う。



言葉が穏やかで笑顔も多い。

小さな事にも反応し、礼を言う。

そして、教師という仕事に希望を持っている…様に見える。



「橘先生って、出身はどこなんですか?」

「私は北海道です。」

「え?北海道ですか?北海道のどの辺ですか?」

「函館です。」

「函館ですかぁ。僕、網走なんです。」



同郷である事を知った田辺先生は、嬉しそうに顔をほころばせた。

何て人懐っこいのだろう。

いや、年上の男性に対し“人懐っこい”は失礼か。



「網走は流氷が見られますもんね。」



精一杯の笑顔で、私はそう応えた。







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