第16章 ウラオモテ●
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まだ暑さの残る始業式。
ジリジリと照りつける様な日差しが入り込む体育会。
クラスごとに整列した生徒達からは、どこか夏休みを引きずっているかの様な浮かれた雰囲気が感じられた。
そんな中、静かにたたずむ彼女の姿を見付けた。
「一身上の都合で退職された村瀬先生に代わりまして、新しく英語教師として赴任された先生を紹介します。」
校長の言葉に…彼女はそっとうつむく。
そんな彼女とは真逆に、壇上では田辺先生の希望に満ちあふれた自己紹介が始まった。
ざわつく生徒達。
「“アイツ”のせいで辞めたんだろ?」
男子生徒の声が聞こえた。
まだ暑さの残る9月1日。
この日…彼女の人生から村瀬先生はいなくなった。
【ウラオモテ】●おわり