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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第16章 ウラオモテ●


玄関のドアが開く音が聞こえた。

当たり前の事だったはずの事も、今はとても新鮮に感じる。

廊下を歩く音。

リビングのドアが開いた瞬間、私は嬉しさのあまり一瞬意識が飛んでしまっていたかもしれない。



「ただいま。」

「おかえり…なさい。」



顔をクシャクシャにさせ、佐久間さんは満面の笑みを見せた。



その表情に、私の顔もほころぶ。

荷物を床に起き、腕を広げる佐久間さん。

その腕の中に、私は迷わず飛び込んだ。



「会いたかったよ。」

「…私もです。」

「もうどこにも行かないでね。」

「…はい。」



甘くスパイシーな香り。

少し舌足らずな優しい口調。



いつもよりも、きつくきつく抱き締められた。



自然と頬を流れる涙を見せぬよう、佐久間さんの胸へと顔を埋める。

しかし、そんな私の涙に気付いたのか、佐久間さんは「泣かないで。」と笑いながら優しく髪を撫でてくれた。






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