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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第15章 ひとつだけ


「俺、絶対嫌だよ。」

「高杉は相手が俺じゃなくても嫌なんだろ?」

「そうだよ。
誰が相手だって嫌だよ。

美波に手を出す奴は全員ぶん殴ってやりたいよ。
サクちゃんには分からないかもしれないけど、娘ってそれだけ可愛いんだよ。」



テーブルに置かれたショッピングバッグを見つめ、高杉はため息を漏らす。

早織さんとの離婚後は一度も美波の話をした事はなかったが、心の奥底では常に娘である美波を想っていたのだろう。

会いたくて、会えない。

抽象的ではあるが、そんな解釈をも出来る歌詞が増えたのも離婚後からだ。



「もう嫌だよ。
サクちゃんの顔なんか見たくないよ。」



そうぼやきながら、高杉はスタジオを出て行く。

高杉との確執を抱えたまま、日本に帰るのだけは絶対に避けたい。

高杉は俺にとって、親友であり仕事仲間であり家族だ。



どうしても美波との関係を認めてもらいたい。



それは自分のためでもあり、美波が望んでいる事でもあるのだから。






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