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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第15章 ひとつだけ


「サクちゃん、ありがとう。」

「ちょっと話があるんだけど。」

「どうしたの?」



空気を察してか、マネージャーの月島は席を外してくれた。

ロサンゼルスに来てから、こうして高杉と二人きりになるのは初めてだった。

毎日タイトなスケジュールながらも、メンバー四人で修学旅行のような時間を過ごしていた。

仕事で来た事すら忘れてしまう瞬間さえあった。



しかし、今日はこれからの“俺達”の事をきちんと話そうと思う。

“俺達”とは、もちろん美波と俺の事だ。



「さっき、美波に電話したんだ。」

「え?」

「戻って来て欲しいって伝えた。」

「いや、待ってよ。
美波はこれからも俺と暮らすんだよ。」

「高杉、美波に自分が父親だって事話してないだろ?」

「…何だよ、急に。」

「さっき美波と電話で話してて、おかしいなと思ったんだ。」



高杉は意外と感情が顔に出やすい。

the IVYのボーカリストとしての高杉誠は完璧なロックスターだが、プライベートの高杉は人間味溢れる普通の男だ。

まるでイタズラがばれてしまった子供のような表情を浮かべ、高杉は頭を抱えた。






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