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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


「もしかしたら…中庭に落ちてるかもしれませんよ。
私も一緒に探しますよ。」

「いや、いいよ。
もう時間もないから。」

「大切な物じゃないんですか?」

「そういう訳でもないんだ…。」



鏡を見つめる男の横顔は明らかに困っていた。

美容師という職業柄なのだろうか。

常に完璧な容姿を求めているように見えた。

必要最低限の化粧に楽な髪型しかしない私には何とも理解し難い。

帽子などなくても男は十分、素敵な大人の男性に見えた。



「ねぇ、帽子借りてもいい?」

「…帽子ですか?」

「何でも良いんだけど。」

「何でもって言われましても…。」

「本当に何でも良いんだ。」



そう言われ、私は寝室のクローゼットの中から黒いニット帽を取り出す。

近所のコンビニへ行く際、寝癖を隠すためによく被っているニット帽だ

普段からお洒落にあまり興味のない私の持ち物などこの程度。

いくら何でも“都会の美容師さん”には不似合いだろう。






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