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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第14章 正しい答え


「起きてた?」



右耳にピタリと付けた受話口から、そう笑う佐久間さんの声が聞こえた。



「起きてますよ。」

「良かった。久しぶりだね。」

「はい。」



瞳を閉じれば、顔をクシャクシャにして笑う佐久間さんの姿が浮かぶ。



少し舌足らずで穏やかな口調。

マイペースでどこかつかみ所がない。

そんな私の愛しい人。



今までの傷付いていた日々が嘘のように、私の胸は心地好い感情に満ち溢れていた。

きっと…私を苦しめる事が出来るのが佐久間さんならば、喜ばせる事が出来るのも佐久間さんなのだ。



佐久間さんがいなければ“何もなかった”私の人生は、今こうして再び激しい恋へと突き進もうとしている。



「こっちは今…午前10時です。」

「そっか。」



他愛もない会話でさえも、今はとても愛しい。



しかし、私にはもっと伝えるべき事がある。



突然、姿を消した事への謝罪。

そして、その理由…。

それでも、佐久間さんを異性として愛してしまった事。



しかし、大事な時ほど言葉は出てこない。






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