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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第14章 正しい答え


こんな状態の母と距離を置こうとしている事に、罪悪感が無いと言えば嘘になる。

本来ならば娘の私が側でしっかり支えるべきなのだろう。



しかし…私にも心がある。



どうしても今は…母に寄り添う事が出来ない。



自分勝手でワガママで、そして自分本位な私の心。

佐久間さんと出会い、惹かれ合い、震えるような恋をした私の心。



最低な娘だとは思うが、そんな心で母を支えるなど…私には出来なかった。



「ねぇ…“あの人”とは会ってるの?」

「…”あの人“?」

「そう。」

「誰の事か…」

「もう、隠さなくても良いよ。
知ってるから。」

「そうだったんだ。…ごめんね。」

「何で謝るの?」

「ごめん、でも…誇れる事でもないじゃない。」



母に恋人がいる事を知ったのは高校1年生の時だった。

アルバイトを終え、母の営む喫茶店へと向かった私は、母と恋人が車で走り去っていくのを見た。



あの日から10年。



母がひた隠しにしてきた恋人の存在。

私が知らないとでも思っていたのだろうか。



母はソファーから立ち上がると台所へ行き、私に背を向けてしまった。






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