第14章 正しい答え
「しばらく会えなくなるんだから…もう少し“マガママ”言ってよ。」
「え?」
「突然だけどさ、明後日からロサンゼルスに行くんだ。」
「…仕事…ですよね?」
「もちろん。
良いスタジオがあってね。
90年代にもLAレコーディングの話が出てたんだけど、結局実現する前に解散しちゃったからさ。
ソロになってから使わせてもらったスタジオがあって、その話をメンバーにしたら満場一致でLAに行こうって話が固まったんだ。
今、ちょうど新しいアルバムの制作に入ってて。
90年代にロンドンではレコーディングした事があったんだけど、その時も特別な作品が出来たって思いが大きかったからさ。
再結成してからの既発の曲と、これから出来上がるであろうLAレコーディングの曲がどう絡み合うのか考えただけでも楽しみだよ。」
こうして大好きなアイヴィーの活動を、ボーカルである高杉さんに直接聞ける事は素直に嬉しい。
新しいアルバム。
後追いでアイヴィーを好きになった私にとっては、初めてのリアルタイム作品となる。
これはきっと、まだどこにも発表されていない情報。
少なくとも、アイヴィーのファンクラブに入会するほど大好きな愛美先生は知らない情報だ。