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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第14章 正しい答え


彼女の心は…未だに村瀬先生に囚われたままだった。



私がどんなに村瀬先生を否定しようとも、彼女は村瀬先生を求め続けた。

まるで“呪い”にでもかかってしまったよう。



しかし、私が知る村瀬先生と、彼女が知る村瀬先生では違う。

彼女にとって、村瀬先生は彼女の“全て”だったのかもしれない。

それは…私にとっての佐久間さんのように。



「もうすぐ6限目が終わるから、その前に下校した方が良いよ。
プリントは明日でも良いから。」

「うん…。」

「明日も必ず来てよね。」

「分かったよ。」



彼女は筆記用具をしまい、鞄の中へと入れる。

あの自宅に帰らせて良いものかと考えた事もあったが、児童相談所に通報すれば、傷付いた彼女を再び追い詰める事になってしまうだろう。

肉体的な虐待と精神的な虐待。

同じ虐待でも、精神的な虐待は表面化しにくい。

そのせいで、こうして17歳になるまで誰からも見付かる事がなかったのだと思う。



「…先生、ありがとう。担任でもないのにさ。」

「ううん。いいの。」

「じゃあ、また明日。」



私と、保健室に居た愛美先生に礼をし、彼女は足早に下校した。






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