第13章 夢の続きを話そう
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シャワーを浴び、携帯電話を持ってベッドに寝転ぶ。
電源ボタンを押し、画面をのぞき見るが着信は無い。
彼女からはもちろん、佐久間さんからも連絡は無い。
佐久間さんのマンションを飛び出したあの日、「サクちゃんには俺から連絡しておくからさ。」と高杉さんは言っていた。
正直、今はまだ佐久間さんと話をする気にはなれないが、ここまで連絡が無いのはそれはそれで頭がおかしくなりそうだった。
佐久間さんは今…何を思っているのだろうか。
横でスヤスヤと気持ち良さそうに眠るコロを撫でながら、先ほどの高杉さんの言葉を思い出す。
“だからさ…今はこうして美波と一緒に過ごす時間が大切。”
あれは一体どういう意味だったのか…。
単純に考えて、私への恋心を告白してくれたのか。
いや、高杉さんに限ってそんな事はないだろう。
高杉さんが私を相手にするはずなどない。
現にこうして別々の部屋で眠りにつこうとしている。
男女の関係とはまた別の所で私を求めてくれているのだろう。