第13章 夢の続きを話そう
「母さんが…」
そう言った瞬間、瞳からは涙があふれ出した。
どうしてだろうか、こんな話をした事は今まで一度もなかったはずだ。
高杉さんは…高杉さんには打ち明ける事が出来た。
まるで泣きじゃくる子供をあやすかのように、高杉さんは私の肩を強く抱き寄せてくれた。
「そっかぁ、“母ちゃん”ね。」
そうため息混じりに言った高杉さんの胸に顔をうずめる。
母の思う“正しい答え”を選択してきた私にとって、佐久間さんと出会い、身体の関係を持つまでになってしまった事は…母を裏切る行為だった。
母に対する後ろめたさ。
佐久間さんを強く拒絶しようとするも、心が言うことを聞いてはくれない恐怖。
私は…母の娘である資格などもうないだろう。
こんな私は…一体どうすれば良いのか。
母の思う“正しい答え”を選択する事が出来なかった私は…これから一体どうすれば良いのだろうか。