第13章 夢の続きを話そう
身振り手振りを交えながら、高杉さんはそう言った。
少し熱くなっているのは、自分自身も作品を生み出す側の人間だからだろうか。
the IVYのほとんどの楽曲を手掛けている高杉さん。
抽象的な表現が多いその歌詞の“答え”も、高杉さんの中にだけ存在するのだろう。
「まさか、“数学は答えが一つだから…”とかって理由じゃないよね?」
高杉さんはそう笑う。
残念だが、その“まさか”だ。
私の人生など、こんなもの。
退屈で…つまらない。
もともと高杉さんや佐久間さんとは住む世界が違う。
きっと私は…今まで夢でも見ていたのだろう。
長い長い夢からようやく目を覚ました。
きっと、それだけの話だ。
「美波は、いつも“正しい答え”を探しているんだね。」
「…え?」
急に真面目な表情を浮かべながら、高杉さんはそうつぶやいた。