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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


カレーを食べ終えてもなお、男は部屋を出て行く様子はなかった。

「懐かしいな。水回りはリフォームされてて驚いたけど。」

相変わらず部屋を見渡しながらくつろいでいる。



私は空いた食器をキッチンへ運ぶ。

時計を見ると午後8時。

男は“これから打ち合わせがある”と言っていたが…

こんなにゆっくりしていても良いのだろうか。

さすがにもう仕事へ向かわなくてはいけないだろう。

“もう仕事へ行かれたら…”なんて言うのは、帰れと催促しているように聞こえるだろうか。

そんな事を考えながら温かいお茶をいれていた時だ。



「ねぇ、この写真って函館?」

少し舌足らずで穏やかな口調。

何てマイペースなのだろう。

男は時間の事など全く気にしていないようだ。



「八幡坂です。」

「そうそう、八幡坂。昔行ったよ。」



男の視線の先には、出窓に並べてあった写真たてがあった。

その中の1枚、函館でもっとも海が美しく見える坂である八幡坂。

高校3年の夏に撮影した写真だった。






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