第13章 夢の続きを話そう
「確かに、小松さんとは“よく会って”はいましたよ。」
悪びれる様子もなく、村瀬先生はそう淡々と話し始めた。
「それは…どちらからですか?」
「どちらとは?」
「あの…どちらから誘ったんですか?」
「電話番号を交換したのは僕からです。
教科書で分からない部分があるので教えて欲しいと言われたので、僕の方から電話番号とメッセージのIDを交換しました。
しかし、それは小松さんにだけじゃない。
他の生徒にもしている事です。
まぁ、小松さんは知らなかったと思いますが。」
「それが…どうして男女の関係にまでなったんですか?」
「…“男女の関係”ですか。」
村瀬先生は腕を組み、考える素振りを見せる。
きっと、私にこんな事を問い詰められるとは思ってもいなかっただろう。
教頭に詳しく話を聞かれた時には上手くごまかせたようだが、私は教頭とは違う。
事なかれ主義の教頭とは違い、私は小松さん本人から村瀬先生との関係を聞いている。
それを村瀬先生も理解しているはずだ。