第13章 夢の続きを話そう
「村瀬先生、私はあなた達の関係を小松さんから聞いています。
なので、とぼけずに本当の事を教えて下さい。
彼女は今、とても苦しんでいます。
村瀬先生側から見た話を、全て私に話してはもらえないでしょうか?」
村瀬先生は深くため息をつくと、腕時計をチラリと見た。
婚約者との待ち合わせの時間を気にしているのだろう。
なんとか婚約者の退勤時間には終わらせたい様子だ。
こうなれば、私もだらだらと彼女達の馴れ初めを聞いている時間は無い。
どちらから誘ったのか。
彼女の事は遊びだったのか。
そして、彼女との関係にどう決着をつけるつもりなのか。
第三者が首を突っ込むなと言われればそれまでだが、私は彼女が可愛い。
可愛いくて可愛いくて仕方ない。
そんな彼女を苦しめる元凶となった村瀬先生。
この男には、全てを明らかににする義務がある。
この男がいなければ、彼女は…小松さんはあんなにも苦しまずにすんだ。
少なくとも、どこにでもいる普通の女子高校生でいられたはずなのだ。