第13章 夢の続きを話そう
「ちょっと失礼します。」
村瀬先生は窓際の席に座るなり、ポケットから携帯電話を取り出した。
メッセージでも打っているのだろうか。
手早くフリック入力を済ませ、携帯電話を再びポケットへとしまう。
「婚約者と待ち合わせをしていたので。」
「そうですか。」
「同僚とカフェにいると送りました。」
「すみません。
お忙しい所、お時間いただいてしまって。」
「いえ、良いですよ。
それより、話って何ですか?」
渇いた喉にアイスコーヒーを流し込む。
私が村瀬先生と話したい事…それは彼女の事に他ならない。
村瀬先生も一度、教頭に詳しく話を聞かれていたようだと愛美先生が言っていた。
ならば話は早い。
私が知りたいのは、彼女との今後の関係をどうするつもりなのか。
一番はやはり今後の事だが、どういった経緯で彼女と一線を越えてしまったのか。
詳しく話してもらいたいと思う。
彼女側から見た話ではなく、村瀬先生側から見た話を…。