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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第12章 壊れてしまえば


「どこか寄ってたの?」

「ちょっと…生徒の家に。」

「生徒って男?」

「いえ、女子生徒です。」

「そう。」



まるで勘ぐるような言葉を放ち、高杉さんは再びキッチンへと戻った。



いつもとは明らかに様子が違う高杉さんに戸惑う。

高杉さんは沸騰した鍋の蓋を開け、味噌を溶かし入れているようだ。

その不慣れな手つきに、思わず「あっ。」と声を上げてしまう。

これもまた、私の知らない高杉さんの一面なのだろうか…。

今まで幾度となく見てきた高杉さんからは想像もつかなかった姿。

鍋から吹きこぼれる味噌汁。

私は急いでコンロの火を止めにキッチンへと入った。



「私がやりますから。」

「いいから、美波は座って待ってて。」

「いえ…。」

「いいの、好きでやってるんだから。」



まるで意地を張る子供の様な口ぶりだ。

ようやくコンロの火を止めた高杉さんは包丁を握り、豆腐を切り始める。

まるでノコギリでも扱っているかのような手つき。

もともと料理をした事などほとんど無いのだろう。

昨日言っていた「俺カルボナーラだけは得意なの。」という言葉は嘘ではなかったようだ。






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